人気のサイクルスポーツ。サイクルロードレースなどをはじめとする競技スポーツから、ゆっくり景色や食べものを楽しむサイクリングまで様々あります。そんなサイクルスポーツの魅力を、プロフェッショナルコーチの青山剛氏の視点で毎月発信していきます。


Vol.4「グルメライドは絶対太らない!?」

ビアンキアンバサダーの青山剛です。 今年1月から始まったこのコラムでは、サイクルスポーツの魅力や運動効果、そしてその正しい方法などをプロフェッショナルコーチの視点で紹介しています。

さて4月になり、いよいよ春到来です。一年のうちで一番サイクリングには持ってこいの季節です。 最近の日本は「ちょうどよい季節」の期間が短く、特に気温が高い時期が長いので、この春の時期を 逃すのはもったいないのです。


■目的地を美味しいお店にしよう!

そのサイクリングですが、せっかく遠くまで乗るのであれば、その目的地や経由地を「美味しいお店」にすることをお勧めします。食事処、パン屋さん、甘味処、カフェなどを事前に調べてそこへ向かって走るのです。楽しくライドすることをファンライドといいますが、最近ではパン屋さん巡りをするライドのことを「パンライド」なんていう言葉も流行してきているくらいです。

■ランニングじゃあまり食べられない!

サイクリングは途中で結構食べたり飲んでも、その後また乗ることが可能だということも魅力のひとつです。これがランニングだとサイクリングまでの時間は走れない(遠くにも行けない)し、上下運動なので食べ過ぎると走れなくなります。ウォーキングだと食べられますが、やはりそんなに遠くまで行くことは厳しく、行ける範囲も狭くなりあまり楽しめません。


■グルメライドは絶対太らない?!

そしてこのグルメライドの最大の魅力は「いくら食べても太らない」ことです。 簡単に言えばそれくらい消費カロリーが多く、逆に食べないとガス欠になるくらいなのです。例えば体重70kgの方がサイクリング(時速22~25km)を1時間した時の消費カロリーは約750㎉。これはおにぎり3個分(1個150㎉)に相当します。1時間ごとにおにぎり3個を食べても実質太らない計算なんです!凄いでしょ(笑)!? ちなみにこれは70kgの方のランニング(キロ6分くらい)1時間と同じくらいの消費カロリーです。もちろんランニングも途中で補給したほうが良いのですが、前述の通り上下運動で内臓にも負担がかかるので、消化の良いゼリーやジェル系にどうしてもならざる得なくなります。 また、サイクリングだと着地の衝撃などの負担が少ないので、1時間どころか何時間も動くことが可能です。そうすると逆にどんどん食べないとガス欠で動けなくなるばかりか、適切な脂肪燃焼(ダイエット効果)も期待できなくなります。


■はじめてのハンガーノック!

私がトライアスロン練習を始めた大学1年生の時、はじめての100kmを超えるロングライド練習の日のことです。その日朝スイム練習後、たくさん朝食を摂って乗り始めました。途中2時間くらいしたところで、車でサポートをしてきてくれていたコーチから「青山!何か食べてるか?」と聞かれたのですが「朝ごはんたくさん食べたから大丈夫です!」と答えました。 しかし、その数分後、目の前に紫のカーテンが下りてきた感じになりどんどん体が動かなくなっていき、フラフラになってしまいました。これがいわゆる「ハンガーノック」といったガス欠状態です。 その後コーチからもらったバナナを数本食べて持ちこたえたのをよく覚えていますが、自転車って凄い消費カロリーだということをここで初めて実感したのです。 それからは必ず背中のポケットに補給食を持ち途中で食べるのを欠かさずに乗るようにして、イージーライドの時は途中のコンビニに必ず2時間ごとには寄って食べるようにしていきました。特に海外や地方合宿の時に長くゆっくり乗る時は、その目的地をパン屋やカフェ、もしくはご飯屋さんに設定し、気分転換も図るようにしていきました。


というわけで、皆さんも食べたいお店を調べて、たくさん食べてたくさん乗って、この春グルライドを存分に楽しんでください!



Vol.1「サイクルスポーツの魅力とは?!」

Vol.2「移動がエクササイズに代わる乗り方とは?!~ママチャリでも美脚に!~」

Vol.3「サイクリングロードへレッツゴー!!」


■青山 剛 (あおやま たけし)

元トライアスロン日本代表。その後コーチに転身しトライアスロン女子五輪代表を輩出。

現在はプロフェッショナルコーチとして競技者から子ども、シニアまで幅広い層にトレーニング指導を行っている。全国で講演、セミナー、教室なども開催中。著書多数。

国内唯一のビアンキブランドアンバサダーとして、正しいサイクルスポーツの普及発展にもあたっている。