【SKILL】ロングライドに挑戦しよう！～変速の基本～

ロードバイクは、「速く走る」「長距離を走る」「様々な環境を走破する」ことを目的に設計されたスポーツバイクです。
速く走る為にはバイクの重量やエアロダイナミクスなど機材面での性能に加え、ライダーのフィジカルが主なポイントですが、長距離や様々な環境を走るにはフィジカル・マネージメントとなる「ギアの使い方」と「補給」「ペダリング技術」が主なポイントです。
今回はより遠くまで楽に走りたい方に向けて、ギアの構成と変速の基本をご案内いたします。

ギアの構成

ロードバイクのギアは「フロント×2枚」「リア×11枚から12枚」が主流です。
フロントは歯数が多く、リアはフロントに比べ歯数は少ない構成です。
フロントは大きな速度や負荷を変える時やギアを最適な組合せにする為に変速し、リアはアップダウンや風の強さなどに応じて細かく速度や負荷を調整する時に変速をします。

ギアを環境やフィジカルなどに応じて最適な組み合わせで走ることで、長距離を楽に走ることできますが、「楽」を言い換えると「効率的」になり、長距離を走るにはギアの適切な使い方と変速の基本を覚えることが大切です。

ギアの組み合わせ

機材面での最適なギアの組み合わせ

前後のギアを繋ぐチェーンは、ギアの組合せに応じてバイクに対して斜め方向に変形します。チェーンは直線が自然な状態で、斜め方向は捩じられた不自然な状態となり抵抗が大きくなります。
機材的な面から考えた最適なギアの組合せは、バイクに対してチェーンが平行になることです。環境や状況に応じたギアの組合せも重要ですが、機材的な面で最適な組合せがあることを覚えておいてください。

走る上での最適なギアの組み合わせ～ポイント① 無理をしない～

長距離を走る時は体力の浪費を減らし、限られた体力を効率的に使うことが大切です。
体力を温存する基本は、適切な負荷で漕ぎ続けることです。登り坂や向かい風の中を走る時、重たいギアを一生懸命漕いでも長続きしないですよね。重たいギアで漕ぎ続けることは長続きしないだけでなく、筋肉は疲労して回復出来なくなります。
最適なギアの組み合わせのポイント①は無理をしないということです。

走る上での最適なギアの組み合わせ～ポイント② 負荷を一定にする～

無理をしないことに加え、負荷を一定にすることも体力の浪費を減らすことができ、楽に早く走ることができます。
短い坂をダンシングで一気に登り切ったあと、呼吸や筋肉を回復させるために休憩をするケースがあると思います。多くの場合、一気に登るより勾配に合わせて変速して負荷を一定にした方がトータルで考えると早く走れますし、体力の浪費を抑えることに繋がります。

変速の基本

無理をせず一定の負荷でペダリングをすることが、長距離を走るポイントであることはご理解頂けたと思います。
変速の基本は「勾配や風などに応じて適時変速して、負荷を一定に保つ」ことです。
ロードバイクが多段ギアになっている理由も「負荷を一定に保ちつつ様々な環境を走破する」です。

負荷を一定にする目安はケイデンス（1分間の回転数）と心拍数です。
※最近は出力を計測できるパワーメーターも、効率的なペダリングの指標として活用されています。

ケイデンス

ケイデンスとは1分間のクランクの回転数を意味します。
長距離を一定ペースで走る時は0～90回転が目安に、気持ち良くペダリングを続けられるギアを選択してください。勾配や風などに応じて適時変速をすることで、筋肉への過剰な負荷を抑え長距離を走ることが可能になります。

心拍数

「有酸運動」での心拍数が長距離を走る基本の心拍数です。
有酸素運動とはグリコーゲンをエネルギー源にした運動で、長時間の運動では脂肪を分解してグリコーゲンを生成します。脂肪を分解するには大量の酸素が必要なので、十分な酸素を取り込める運動強度である有酸素運動が長距離を走るのに適した運動強度となります。
運動強度が高いと呼吸が足りず乳酸の分解が追い付かず疲労がたまり、運動強度が低いと乳酸が生成されず脂肪を分解し難くなります。

有酸素運動となる心拍数は、最大心拍数の60～80％と言われています。

最大心拍数・・・220-年齢
例）35歳の場合：（220-35）×60%～80%＝111～148

心拍計をお持ちでない方は、「少し息があがるが会話が出来る」が目安です。
ソロで走る場合は歌を歌える程度を目安にすると良いと思います。

ロードバイクの楽しみは多々ありますが、100kmを超えるロングライドが出来るようになると楽しみに幅がぐっと広がります。ギアの組み合わせと変速の基本を覚えてより充実したサイクルライフをお楽しみください。